UKIYOE HOUSE ブログ 2023年4月15日 

[コラム]宿泊予約プラットフォームに蔓延する不正な代理予約や転売について


当館は昨年11月よりAirbnb(エアビー&ビー)というオンラインの宿泊予約プラットフォーム予約業務を行ってきました。しかし近年さまざまなオンライン予約プラットフォーム上で、ユーザーと同意の取れていない不正な代理予約や、第三者に予約を転売する違反行為が横行していることがわかりました。


最初から代理予約の存在を予約プラットフォーム側が説明していたり、他社とのアフェリエイト(成功報酬型業務提携)を公表している場合はまだ良いのですが、表面的には代理予約に反対する立場を装いながら、実際には不正行為を黙認しそれらの手数料をている悪質なサービスも存在します。


本日のブログでは、宿泊施設とゲストの信頼関係を崩壊させかねない、オンライン宿泊予約プラットフォームに蔓延する不正な代理予約や転売行為の実態についてご紹介します。


目次


1. オンライン宿泊予約プラットフォームとは?


Airbnb(エアビー&ビー)を代表とするオンライン宿泊予約プラットフォームは、多くの場合は旅行者と宿泊施設のそれぞれの法的な認証や営業証明、支払い手段や口座情報などを管理し、それぞれのニーズに合わせた宿泊予約を成立させて手数料を収益としています。


プラットフォーム業者が正しく情報を管理することで、旅行者が宿泊施設に直接クレジットカードを開示したり、予約の成立前に施設側がセキュリティー情報を公開しなくても旅行者と宿泊施設を適切にマッチングできる、新時代の宿泊予約サービスです。

※2018年に施行された住宅宿泊事業法(通称:民泊新法)において、日本の民泊業者は、宿泊者全員の氏名・住所(またはパスポート写真)・職業を記録し保管する義務ができました。これは日本の法律に基づく義務のため、海外資本のオンライン宿泊予約プラットフォーム上には説明がない場合もあります。


2. オンライン宿泊予約プラットフォームを利用した不正な代理予約や転売


正しく使えば便利なオンライン宿泊予約プラットフォームですが、旅行者と宿泊施設が対話なしに予約を成立できる手軽さを悪用し、身分を明かない宿泊者に代わり第三者が予約する代理予約や、安価で押さえた予約を無許可で第三者に転売してしまう不正行為の温床にもなりがちです。


当館はAirbnb(エアビー&ビー)を利用していますが、オンライン宿泊予約プラットフォームによっては予約時には申込み者の本名・国籍・住所すら明かされず、本人確認が困難な場合もあります。なかには質問にも一切答えずに、当日に現れた宿泊者は日本語や英語が全く通じなかったというケースもあります。民泊を運営する側もトラブルに慣れておらず、不審な宿泊を押し切られてしまうこともあります。


こうしたオンライン予約プラットフォームの脆弱性が、制度を悪用するにとっては好都合なためにトラブルは絶えません。2018年の住宅宿泊事業法(通称:民泊新法)で規律が厳しく見直されましたが、制度と不正は常にイタチごっこであり、旅行者と宿泊事業者、そして宿泊予約プラットフォームともに強い倫理感が望まれています。


3. 不正な代理予約や転売目的の予約の特徴と対策


当館ではAirbnb(エアビー&ビー)を利用していますが、不正な代理予約や転売を見抜くことは容易ではありません。それでも不正利用には一定の類似性があるようです。こちらに特徴をご紹介しますので、皆さまの安全対策にお役立てください。



上記をひとつひとつご説明致します。


非英語圏であるはずの複数の海外ゲストから「Hello 〇〇〇, I look forward to staying in your home!」「I really like your listing and look forward to staying during this time.」という一字一句違わない英文メッセージ届くことが確認されています。自動翻訳をオンにしている場合は自然な日本語に変換されてしまうので気付きにくいのですが、この定型文メッセージの予約者に注意が必要です特定の海外アプリを経由した場合に自動で送信されるメッセージと情報もあります。申し込み者本人が作成していないメッセージとすれば対話の信頼性が担保できませんので、この英文メッセージが届いた場合には必ず宿泊予約プラットフォームに調査を依頼してください。


予約を行っているはずのゲスト「ご本人さまですか?」と言う質問や、「ご到着の予定時間は?」など旅行者にしか分からない質問に答えないケースが確認されます。ただし個人情報を含む質問はご本人さまであっても返答を希望されない場合もありますので、個人情報には抵触せずそれでいてご本人でなければ答えられない「駐車場はご利用されますか?」「当日の観光案内で知りたいことは?」などの質問がで透明性を確認してください。


一棟貸しの貸別荘複数名が宿泊できる大部屋に対して宿泊人数1人などの不自然な予約には注意が必要です。低価格で予約した日程を多人数グループに高額に転売しているケースも確認されています。当日に人数で訪れたゲストを宿泊施設側が拒否することは危険な場合もあります。不自然な予約申請を黙認せずに、実態確認のための対話を試みましょう。


こちらは単純に海外との時差による要因とも考えられますが、不正な予約申請者が宿泊施設が即座に対応できない時間帯を利用している可能性もあります。申請側のアカウント言語から推測される現地の活動時間と日本の深夜帯が必ずしも一致していないケースもありますので、予約申請を黙認せずに、ご本人確認のための対話を試みましょう。


オンライン宿泊予約プラットフォームによってはゲストの過去の予約履歴を公開しているのですが、過去に利用記録が一切なく、今回の予約を申請するためだけに登録されたアカウントである場合には利用実態を把握することは困難です。予約申請を黙認せずに、ご本人確認のための対話を試みましょう。


過去にゲストが同一国内で少数件の宿泊予約を成立させた履歴があるが、そこから数年を空けて唐突に海外宿泊先として予約を申請して来ている場合には、ゲストの海外宿泊の実態を把握することは困難です。予約申請を黙認せずに、ご本人確認のための対話を試みましょう。


オンライン宿泊予約プラットフォームによってはゲストの過去の宿泊に対する宿泊施設側からのレビューを公開しているのですが、それらのレビューに具体性が一切なく、不自然に短文である場合にはレビュー自体にも疑問が残ります。ご本人確認のための対話を試みましょう。


宿泊施設側が公開情報としてオンライン宿泊予約プラットフォームに掲載しているはずの宿泊料金や施設外観等を、ゲストが認知しておらず質問してくる場合には注意が必要です。不正な代理予約が行われたためにゲスト本人が情報を知らされていない可能性もあります。この場合の多くは転売によりゲストは高額な宿泊料金を支払っておりトラブルの要因になります。実態確認のための対話を試みましょう。


4. 悪質なオンライン宿泊予約プラットフォームの特徴と対策


当館ではAirbnb(エアビー&ビー)を利用しておりますが、オンライン宿泊予約プラットフォームによっては不正な代理予約や転売を黙認し、それらの手数料を収益としている悪質なサービスも存在します。企業の悪質性を見抜くことは容易ではありませんが、彼らには一定の類似性があるようです。こちらに特徴をご紹介しますので、ご利用の宿泊予約プラットフォームの信頼性の判断にご活用ください。



上記をひとつひとつご説明致します。


多くのオンライン宿泊予約プラットフォームは予約成立時の手数料を収益としているため、サービス利用者には事前に説明した上で、代理予約や転売目的の予約も許容している場合があります。しかし悪質な宿泊予約プラットフォームは、表面的には代理予約に反対する立場を装いながら実際には不正行為を黙認し手数料を得ています。そのような悪質なプラットフォームは多くの場合、代理予約について企業の公式見解を示していません。


宿泊予約プラットフォームによってはサイト内にユーザーが意見交換できる投稿ページが用意されています。そういったページで「代理予約」などの言葉を検索すると、過去に不正予約に関する投稿があるかどうか、そしてそれが解決したかどうかを確かめることができます。プラットフォーム側が不正行為の報告を受けていながら解決を試みてこなかった記録が残っている場合には、そのサービスは信用できない可能性があります。


ユーザーが実際の不正予約や転売行為に遭遇した場合でも、悪質な宿泊予約プラットフォームは確認を怠り、対策を嫌い、報告を認めません。カスタマーサービスに具体的な証拠を提示しているにもかかわらず「わかりかねる」「認識していない」などと返答し入門ガイド等のウェブページリンクを送ってくるだけの対応に終始する宿泊予約プラットフォームは、そもそも顧客と真摯に向き合う気がなく、信用できない可能性があります。


悪質な宿泊予約プラットフォームは代理予約などの不正行為そのものが論点となるのを嫌いますので、宿泊施設側不正行為の判断やキャンセル対応をプラットフォーム側に求めていたにもかかわらず、「ご不安があるのですね?」「違和感がある場合は…」などと気持ちの問題にすり替え、不正行為そのものの判断を避けます。カスタマーサービスの相談員が「ご不安」「違和感」という言葉を多用して相談を言い換える場合には注意が必要です。そのような悪質な宿泊予約プラットフォームはサイトの利用ガイドページでも「不安」「違和感」という言葉を多用して記事を作成する傾向があります。


問題点を明確化して対策を求めているのに「不安」や「違和感」の問題にすり替えたり、特定の不正予約について対策を求めているのに「一旦すべての予約申請を保留にしてみたらどうか」などと宿泊施設側の予約条件を変更させようとしたりと、悪質な宿泊予約プラットフォームは論理に一貫性がありません。このような対応には電話での対話を選択せずに、文字でのやり取りを残しながら専門家に相談するようにしましょう。


悪質な宿泊予約プラットフォームは不正行為を見て見ぬふりをしなくてはならないため、そもそも倫理が破綻しており、対話を繰り返すほどに矛盾が大きくなる傾向があります。「代理予約について(サービス全体を指して)わかりかねる」→「当部署ではわかりかねるという意味だった」→「質問自体がわかりかねるという意味だった」…と、このように論理が飛躍し前言撤回を繰り返します。矛盾や間違いを記録するためにも、電話での直接の対話を選択せずに文字でのやり取りを記録して専門家に相談しましょう。



Airbnb(エアビー&ビー)を代表とするオンライン宿泊予約プラットフォームは、旅行者と宿泊施設側の正直な情報提供や、プラットフォームの透明性の維持によサービスが成り立っています。


当館「浮世絵ハウス伊東/UKIYOE HOUSE Ito」は、本人確認を不明にしたままでのご予約行為や、同意のない代理予約、転売目的の予約、詐欺行為、またそれらをオンライン宿泊予約プラットフォーム側が助長することや見逃すことを断じて許容いたしません。


社会全体が情報を共有して、不正な予約行為や悪質な宿泊予約プラットフォームを黙認せずに、皆さまの思い出に残る素晴らしい旅の出会いを実現させましょう!


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